Plants Trees

*美しいもの大好きな男子が考える、植物とのお付き合いの仕方*

ユキワリソウ


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僕には園芸のお師匠さんがいます。


もともと植物は大好きだったけれど、もっと深く、より面白く、より分かりやすく僕に教えてくれたそのお師匠さんは、なかなかお茶目な人でした。


ある年の春先のこと、ちょっと付いて来いと声をかけられ車に乗って向かった先は、お師匠さんが持っていた山の一角。
雪も溶けて春の気配がムンムンと立ち込めている。

 

「ほら、見てみろよ。」

 

そう言って指をさした先には、何輪かのユキワリソウが咲いていたのを覚えています。


「可愛いだろ?僕が植えたんだ。だけどね、実はここの山ではこの花は咲かないはずなんだ。積雪が少なくて地面が凍ってしまうからね。何回か植えて何回も失敗した。それが今はどうだ。見事に花を咲かせている。」

 

僕の頭は?であった。


師匠ははたして喜んでいるのか、どうなのか……。


「花が咲いてくれて勿論嬉しい。けどね、寒くて咲くはずのなかった花が咲いているということは、温度が上がっているということだと思わないか?植物は些細な変化に敏感なんだ。何でもとは言わない。でも、もし何か身の回りが変わったと思ったら植物と対話してみるといい。その何か、が見えてくるかもしれない。」

 

その言葉は今ではしっかりと僕の一部になっています。

 

変化していることがいいことなのか悪いことなのか僕には皆目見当もつかないが、いち早く異変に気がつくことは、そう悪いことばかりでもないはずだ。
北海道は今雪解け真っ最中。


今年も去年のあの花に会えるのだろうか。


期待と不安で落ち着かない気持ちを、出てきたばかりのワラジ虫に八つ当たりする今日この頃です。

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ユキワリソウ

 

  • キンポウゲ科
  • ミスミソウ属
  • 多年草
  • 開花期 2月下旬~5月
  • 草丈 10~20㎝
  • 耐寒性 普
  • 耐暑性 普
  • 耐陰性 普
  • 初心者 ◎

 

 管理場所

 落葉樹の下を想像してみてください。
春には優しい日差しが注ぎ込み、夏には焼け付く暑さから生い茂る葉が守ってくれ、秋になれば静かに木の葉が降り注ぎ冬は木の葉の布団の下で再び訪れる春をじっと待つ。
そんな環境が適している訳ですが、鉢植えの場合はこれを再現してあげなくてはいけません。
春の日差しを浴びさせ、花が散った後にはほとんど日には当てず50%以上遮光します。
また地域によって地植えでは越冬出来ないこともあります。

 

水やり

 乾燥にあまり強くありませんが溜まった水も好みません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えます。
地植えの場合も乾燥が強い場所や風が極端に当たる場所はおすすめ出来ません。

 

 

 一番気軽に安心して使えるのはユキワリソウ専用の土です。
ただし一株だけ鉢植えにしたい、という方には多すぎますよね。
僕の場合は硬質の鹿沼土に小玉の赤玉土と軽石を同量、それから元肥を混ぜて植えてみました。
水はけがよく、さらに通気性がいい土を好みます。
出来れば植木鉢も水はけ、通気性を考慮してあげるとうまく育ちます。

 

肥料

葉の展開が始まる初春には窒素分の多い液体肥料を、葉が十分に展開し花の成形に入ったら今度はリン酸の割合が多い液体肥料を与えます。
花も終わり、6月に差し掛かったらそのまま様子を見て肥料は与えず、秋に再び再開します。
その際は窒素、リン酸、カリが同量のものがオススメです。

 

僕も知らなかった。「ユキワリソウ」とは…

 「ユキワリソウ」と検索してウィキペディアを開くと想像していた花と違う花が出てくるかと思います。
もともとユキワリソウとは早春に出てくる野草の総称として使われていたそうで、地域によって呼称される花が違うようです。
「雪を割る草」……。
生きているものなど何もないのではないかと思ってしまうほど静かに冷たく凍り付く冬。
そこに現れる春の気配は格別に嬉しいものです。
そんな思いが込められているかいないか定かではありませんが、僕はこの名前をとても感慨深く感じます。

 

まとめ

  • イメージは落葉樹の下。
  • 乾燥は苦手。かと言って滞っている水も✖!乾く前にたっぷりと与える。
  • 水はけ、通気性が大切。
  • 葉っぱが出るころには窒素、花のころにはリン酸。
  • 「ユキワリソウ」の名は春を告げる花の呼び名

師匠が山に植えていたユキワリソウを次に僕が見に行けるのはいつになるだろうか。
師匠が他界して数年がたつ。
ひっそりと、しかし着実に根を伸ばし、人知れず今年も暖かな日差しの空を眺めていたに違いない。